ウミヒコの頭の中は一瞬真っ白になった。そして、シャガと初めて会話が出来た喜びを味わうどころか、どうしようもない淋しさに襲われた。
他の子供たちから言葉の違いをからかわれるのは、不愉快ではあったがもう慣れた。でも、大好きなシャガがそれと同じ行動を取るということは、彼には信じたくないことであった。
彼女はそのような些細なことにこだわる娘ではないと、それまで信じていたウミヒコだったが、それは彼が心の中に作り上げた自分勝手な幻影に過ぎなかったのだ。それが今、波を受けた砂山のようにもろくも崩れ去ったところだった。ウミヒコは現実を知った。
彼は膝を抱えてそこに顔をうずめ、そのままずっと動かなかった。